糖尿病の治療の前に

糖尿病治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法です。
しかし、それ以前に行動療法とも言うべき「生活習慣の改善」があります。


『よい生活習慣』をひとつでも多く持つこと

例えば食事療法は、「私は身長が162cmだから1600kcal/日を基準として…」
といったように計画をしていきますが、こうしたカロリー計算をきちんと実施することは非常に難しいものです(もちろん患者様の中には正確なカロリー計算が必要な方もおられます)。

しかし、すべての患者様にこうした厳密なカロリー計算が必要なのでしょうか?

多くの方々にとって、「朝食をしっかり、夕食を少なめに摂る・間食をしない・夜9時以降ものを食べない・・・」という一般的に言われている『よい生活習慣』をひとつでも多く持つことが必要なのではないでしょうか?

そして習慣となってしまったものは、強制されている治療とは異なりあまりストレスにはなりません。
だから無理なく継続できるのです。

よい生活習慣を持った結果として血糖値が下がれば、最も自然に最もその方の生涯によい影響を与えると思います。


糖尿病予備軍の段階からの治療が大切

望ましいのは、高血糖ストレスによりインスリンを分泌する細胞が疲弊・死滅する前に、生活習慣の改善を開始することです。

糖尿病予備軍の段階から、生活習慣の修正や体脂肪減量を行うことが糖尿病患者の発生を防ぐために推奨されています。


体脂肪の中でも内臓脂肪の減量が重要です。
これにより、インスリンの効き辛さ(インスリン抵抗性)を改善し、高血糖の状態からインスリン分泌低下が起きるという悪循環を和らげることができます。


一方、内服薬の使用は食事、運動の改善が不可能な患者にも一定の効果はあるものの、糖尿病の進行を必ずしもくいとめられるわけではなく、治療方法もガイドライン化されていません。

ですが、ビグアナイド薬 メトグルコR、メデットR、グリコランR、ジベトスR、ネルビスRやαグルコシダーゼ阻害剤(以下αGI薬と表記)といった経口血糖降下薬も、生活習慣の改善には劣りますが効果があるといわれています。

また、糖尿病予備群といわれる境界型糖尿病では動脈硬化などの大血管障害のリスクが高いため、こうした内服薬などによる積極的な治療が必要と考えられています。