看護師による糖尿病療養指導の現場から

2018/11/15
風邪をひいたときってどうしたらいいんですか?

発熱して、食事が摂れず寝込んでいた糖尿病2型の患者様から聞かれました。
その方は、家族に頼んで「糖尿病・風邪」と検索し調べて対処したそうです。
インスリンも打っていたのでどうしたらいいかわからなかった、と。

 

今の時期、インフルエンザや消化器症状などで体調不良を訴える患者様が増えます。
今回は、”そもそもなぜ体調が悪くなると血糖値が上がるのか”、ということについて
療養指導の中で説明させていただきました。

 

シックデイ

糖尿病患者が治療中に、発熱・下痢・嘔吐などをきたし、又は食欲不振のために食事ができず血糖コントロールが難しい状態になることを「シックデイ」といいます。

どうして血糖値が上昇するのでしょうか?

消化器症状を伴う感染、発熱や外傷などの急性疾患にかかると、体の異常事態に対応するために体の中ではストレスホルモンが分泌されます。
肝臓がブドウ糖を血液中に放出する作用を促したり、膵臓からインスリンが分泌されるのを抑制したりして、血糖値をあげるように作用します。

また、感染症にかかっているときは、インスリンの効果が弱まるため(インスリン抵抗性が強くなる)さらに血糖値が高くなります。

加えて、高血糖の時には体の抵抗力が落ちます。
そのため、回復が遅れたり治癒の前に新たな感染症にかかってしまうことがあります。高血糖によって引き起こされる脱水がさらに血糖値を上昇させます。

なぜ高血糖になりやすい「シックデイ」のときに、
炭水化物や糖分補を補給することが大切なのでしょうか?

炭水化物の摂取量が少ないと、エネルギーを作り出す原料として、体内の脂肪が使われてしまうからです。

脂肪が使われると、ケトーシス(ケトアシドーシス)性昏睡の心配が出てきます。どんな状態でも炭水化物を1日150g以上摂るように心がけてください、と注意書きされているのはこのためです。

「シックデイ」のときは、治療により対処がわかれ、判断が難しい時もあります。
療養指導の時にさりげなく確認しておくことをお勧めします。