看護師による糖尿病療養指導の現場から

2016/12/12
シックデイ@

今週は、また一段と寒くなりました。
クリニックにも風邪で受診する患者さんが増えてきました。
自己血糖測定をしている患者さんのノートで普段より血糖値が高い値があったので、尋ねると、「風邪をひいていたよ」と答えられる方がいたり、糖尿病のお薬を内服中の患者さんから、「下痢で、食べられないから薬は飲んでいない」とお聞きしたりします。
今回は、この時期に気をつけていただきたい「シックデイ」の話です。

シックデイ(Sick day)

糖尿病患者さんが治療中、風邪や発熱、下痢、嘔吐をきたしたり、 外傷、骨折、歯科治療などによって、食欲不振になり、食事ができなくなるなどの体調不良の状態です。

シックデイの時は、いつもより血糖値が上昇しやすくなります。
どうしてでしょうか?

この様な状態の時、身体にとってはストレスになり、ステロイドホルモンなどのストレスホルモンが出ます。ストレスホルモンの多くは、血糖を下げるインスリンの働きを抑制するために、インスリンがもともと不足している糖尿病患者さんでは、血糖値がさらに上昇します。下痢や嘔吐で脱水状態になると、血液が凝縮し、一層、血糖値が上がりやすくなり、さらに高血糖が脱水を増強するという悪循環になります。

ケトアシドーシス

インスリンが不足すると、高血糖の他に、血液中のケトン体が増えて、酸性になります。
その状態が続くと、意識障害から、昏睡へと陥ります。1型糖尿病の患者さんがインスリン注射を中止にした時に起こりやすいです。 のどが渇く、多飲、多尿、悪寒、消火器症状、体重減少、倦怠感などがあります。

高浸透圧高血糖症候群

著しい高血糖(600mg/dl)と脱水で、循環不全をきたした状態です。
特に高齢者に多く、高齢者に多く、昏睡に陥る場合があります。
特徴的な自覚症状がないこともあるので、とても危険です。

インスリン注射をしている方は、食べられないからといって、注射をやめてしまうと、ますます血糖値が高くなり、症状も悪化させてしまうので、注射は、必要です。症状が悪化する前に、早めに連絡をいただくか、受診をお勧めします。