看護師による糖尿病療養指導の現場から

2016/10/4
トレシーバのうち忘れ

先日、患者様から、「徹夜をして毎日夜22時に注射をするトレシーバを打ち忘れた。どうすればよかったのか? あらかじめ、今夜は、注射できないとわかっていたら、昼間に打ちたいが何時間空けたら打てるのか?」との相談がありました。

トレシーバ(インスリントレシーバ)について

インスリンは、6量体を形成しており、トレシーバは、「6量体」が2つ集まって「ダイヘキサマー」として、製剤中に存在します。
皮下注射後、さらにそれが多数結合し長い鎖のように連鎖していきます。これを「マルチヘキサマー」と呼びます。しかし、このままでは、血管壁を通過しません。 その後、「マルチヘキサマー」の端っこから、単量体が解離し、インスリンが徐々に血中に溶けだしていきますので、長い時間効果が持続し、ゆっくりと血糖値を下げていきます。海外の試験で42時間一定の濃度を保つと言われています。効果は、ほぼ一定で、夜間の低血糖も起こりにくいと言われています。

注射のタイミングについて

トレシーバは1日1回、どの時間帯でも良いので毎日一定の時間を決めていただいて注射します。基礎インスリンですので、食事とは関係なく注射できます。クリニックでは、大体、朝の自己血糖測定と一緒に打ったり、就寝時に打たれている方が多い印象です。
また、在宅介護の場合には、2日に1回、または、曜日ごとに、朝、夕と打ち分けている方もいるようです。 次の注射する時間までに8時間空いていれば、注射を打つことができます。
ですので、この患者様の場合、 通常22時に注射しているので、前後8時間を計算すると朝の6時から午後14時までの間なら注射できます。ご本人へは、「半日空いていれば・・午前中なら・・・。
単位は同じで大丈夫」という説明をしました。 
患者様一人一人にあった、注射方法を考えていくのも楽しいです。