看護師による糖尿病療養指導の現場から

2016/7/25
インスリンと骨代謝

6月は、当院で骨密度の検査強化月間でした。
若年世代、同年齢と比べる結果により、反応もさまざま。骨折の予防も含めて、骨粗しょう症のお薬が開始になる方がいらっしゃいました。月に1度飲むだけでよい薬も出ており、「受診時に処方されたら飲むと忘れないよ。」と教えてくださる患者様がいらっしゃいました。

今回は、インスリンと骨代謝について考えてみます。
骨は、形成と吸収によってバランスがとられています。
加齢や糖尿病により、骨形成が低下します。また、閉経後の女性は吸収が亢進するため、骨量が減少します。

インスリンの作用について

  • 1.新しい骨を作りだす骨芽細胞を増殖させる作用があります。
    インスリン不足になると、骨芽細胞は増えずに、骨の形成が低下します。
  • 2.インスリン不足による高血糖で尿量が増えます。
    排泄に伴いカルシウムも排泄されてしまい、不足します。
  • 3.カルシウムは、単独で食べても体内に取り入れることができず、取り込みには活性化ビタミンDという物質が必要になります。活性化ビタミンDは、インスリンにより作られます。インスリンが不足すると、せっかく食べたカルシウムが吸収されなくなってしまいます

1型と2型糖尿病の違い

1型の人は、絶対的なインスリン欠乏状態にあるので、骨芽細胞が増えず、骨代謝へ影響が出ます。小児、若年期に発症することが多いので、成長期に骨が十分に成長できず、成人後、最大骨量が少なくなります。

2型の人は、骨形成に必要なインスリンの分泌量が人によってまちまちなので、骨代謝への影響もさまざまです。ほとんどが成人後に発病するので、最大骨量は、糖尿病でない人と変わりません。加齢や閉経による影響のほうが大きい場合もあります。