看護師による糖尿病療養指導の現場から

2016/5/24
ABI、PWV検査

前回、合併症の有無や、進行度をみるための検査について書いてみました。
今回から、その中の検査についてお話していきたいと思います。

第1回目は、動脈硬化の程度を調べるABI、PWVという検査についてです。

ABI検査

ABI検査は、足首と上腕の血圧を測定し、その比率(足首最高血圧÷上腕最高血圧)を計算したものです。ABI値が0.9以下の場合、下肢閉塞性動脈硬化症の疑いがあります。動脈の内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内腔が狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度、血管の狭窄や閉塞などが推定できます。

動脈硬化が進んでいない場合、横になった状態で両腕と両足の血圧を測ると足首のほうがやや高い値を示します。しかし、動脈に狭窄や閉塞があるとその部分の血圧は低下します。動脈の狭窄や閉塞は主に下肢の動脈に起きることが多いため、上腕と足首の血圧の比によって狭窄や閉塞の程度がわかります。

PWV検査

PWV検査(脈波伝播速度)は、心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のことです。動脈壁が厚くなったり、硬くなったりすると、動脈壁の弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。この値が大きいほど動脈硬化が進行しており、くも膜下出血や、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの病気にかかりやすくなっていますので、高血圧の人は積極的な治療が必要となります。また、加齢や血圧が高くなることでも値は増加します。

検査の実際

ベッドの上で仰向けになり、両側の腕と足首に、血圧計の帯(カフ)、心電図の電極、心音マイクを装着します。ABIとPWVを同時に測定し、その結果をコンピューターによって数値化します。所要時間は5分程度です。