看護師による糖尿病療養指導の現場から

2016/4/25
肥満と糖尿病

前回、体重の事を書きましたが、どうして、体重が増えると血糖値が上がってくるのでしょうか?
私たちが、活動するにはエネルギーが必要ですね。筋肉や脂肪細胞などの組織が、細胞内に血中のぶどう糖(血糖)を取り込み、エネルギーが作られます。すい臓から送られるインスリンと、細胞側にあるインスリン専用の受け皿(レセプター)が結合すると、筋肉などの細胞の窓が開き、糖が入ることができます。血中の余った糖は、同様に脂肪細胞にも運ばれ、全身の脂肪細胞が膨らみます、これが肥満です。

「肥満」になると、
なぜ、糖尿病を発症するリスクが高まるのでしょうか

摂取エネルギーが増えすぎて「肥満」になると、体内で糖をエネルギーとして消費したり、蓄えたりする役割を果たすインスリンの必要量が増します。(高インスリン血症)
「肥満」がなかなか解消されずに長引いてしまうと、インスリンを分泌するすい臓は肥大して、それまでと同じ量のインスリンを分泌しにくくなります。

最近では、脂肪組織は多種類の生理的な作用を持つ物質(アディポサイトカイン)を分泌することがわかってきました。
そのひとつである「腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)」という物質はインスリンの作用を低下させる働きがあり、肥満になると、脂肪組織からTNF-αがたくさん分泌されるために、インスリンの働きが低下し、血糖の上昇につながるようです。

臓器にあるレセプターの反応が弱くなることを「インスリン抵抗性」と呼びますが、肥満の方、特に内臓脂肪の多い方において起こりやすいことが分かっています。